「山に行ったら電波が繋がらなかった」
旅行や登山の話でよく出てくる話題ですが、これ、よく考えると変じゃないですか?
電波って、空中を飛んでるんですよね?
壁も障害物もない山の上こそ、電波がガンガン届いてもよさそうじゃないですか。
なのになぜ繋がらないのか。
今日はそこを掘り下げます。
答えを先に言うと「基地局がないから」
電波はたしかに空中を飛びます。
でも、スマホで通信するには、空中を飛んでいる電波を受け取って、インターネットに繋いでくれる設備が必要です。
それが「基地局」です。
基地局がないと、電波の届きようがない。
山奥は基地局が少ない、もしくはない。以上。
「そんな話か」ってなりますよね。でも待ってください。
じゃあなんで山頂でたまに繋がるの?
ここが面白い。
登山してると、山頂付近でなぜか電波が入ることがあります。
これ、遠くの基地局の電波が届いているんです。
山の麓、もしくは遠くの平野にある基地局の電波が、見通しの良い山頂まで飛んできている。
電波は障害物がなければ数十km飛びます。山頂は障害物がない。だから繋がる。
逆に山の途中は木や地形に遮られて繋がらない。
「山頂より中腹のほうが繋がらない」という逆転現象が起きるのはこのせいです。
基地局、山奥に作ればいいじゃん問題
「なら山奥にも基地局を作ればいいじゃん」ってなりますよね。
その通りです。作ればいい。
でも、基地局1台の設置コストは数百万〜数千万円です。
加えて、山奥に設備を運ぶコスト、電気を引くコスト、メンテナンスコスト。
そこで1日に何人がスマホを使うか、を考えると、採算が合わない場合がほとんどです。
通信会社も商売なので、人がほとんどいない場所に投資し続けることはできない。
これは「サービスが悪い」というより、「数学的に仕方ない」話です。
緊急の話をすると一気にシビアになる
ここで一気に話が重くなります。
登山中に遭難して、スマホで助けを呼ぼうとしたとき、電波がない。
これ、日本で毎年起きています。
ただ、緊急通報(110番・119番)だけは、通常の通話よりも弱い電波でも繋がるよう設計されています。
しかも、自分のキャリア以外の基地局にも繋いでくれる仕組みがある。
普段Aキャリアの人でも、Bキャリアの基地局を使って緊急通報できる。
「それをもっと広げれば解決では?」と思いますよね。
技術的には可能ですが、「普通の通話もそれでやれ」ってなると各社の商売が成り立たなくなるので、緊急時限定になっています。
衛星通信がこれを変えようとしている
最近、「Starlink」という名前を聞いたことがある人もいると思います。
SpaceXが打ち上げてる衛星です。
これ、地上に基地局を作るんじゃなくて、空から電波を飛ばす発想です。
山奥だろうと、海上だろうと、衛星が頭上にいれば繋がる。
基地局が採算合わない場所でも、衛星ならカバーできる可能性がある。
日本でも一部の通信会社がこれを使ったサービスを始めようとしています。
「山でも繋がる時代が来るの?」という話は、5年前は夢物語でしたが、今は「もうすぐ来る」くらいのところまで来ています。
まとめ
山奥で電波が繋がらない理由:
- 基地局がない(採算の問題)
- 山頂だけたまに繋がるのは、遠くの基地局の電波が届いているから
- 緊急通報は特別な仕組みで繋がりやすく設計されている
- 衛星通信がこの状況を変えつつある
「電波が繋がらない」という体験は、電波の問題じゃなくて、インフラ整備とお金の問題です。
次に山で電波が繋がらなかったとき、少しだけ違う視点で考えてみてください。
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